笹流ダム

 


(函館市)笹流れダム周辺


鈴 木 実   

笹流れダムの歴史                                                                       
  函館市の水源地「笹流れダム」は、函館駅の東北約8kmの地にあり、市史によれば、日本で最初に上水道が設置されたのは、横浜と函館であるという。

 明治21年(1888)上水道工事着手
 大正12年(1923)鉄筋コンクリート扶壁式ダム竣工
 昭和60年(1985)同上補強改築現在に至る 
   ダム堤高  25.3m
   湛水面積  76,000㎡
   貯水量  576,000立方m

 水源涵養林は昭和24年(1949)針葉樹20万本飾栽、平成7年(1995)林野庁選定の「水源の森百選」「亀田川水源の森」となっている。ダム堰堤前広場にはソメイヨシノ桜が数十本植樹され、函館市民の憩いの場所として広く利用さています。

① 低区浄水場付近
 探鳥地入り口から約800m間の場所で、初春早々左手の針葉樹のてっぺんにマヒワの群が止まっている。コムクドリも浄水場の正面門奥、プラタナスの樹洞に今年も営巣しているのを見てひと安心、シメ、ムクドリの大群が集まる場所でもあり、秋にはヒレンジャク、キレンジャクの群が居ることがあり吃驚したことがある。

樹木は
 針葉樹(トドマツ、イチイ、エゾマツ、カラマツなど)
 広葉樹(ポプラ、イチョウ、プラタナス、イタヤカエデ、ソメイヨシノ、エゾヤマザクラなど)
野鳥は
 コウライキジ、カッコウ、ツツドリ、ホトトギス、アリスイ、イワツバメ、モズ、キレンジャク、ヒレンジャク、ノビタキ、ツグミ、ウグイス、オオヨシキリ、マヒワ、イスカ、ウソ、イカル、シメ、コムクドリ、ムクドリ  

② 中間地
 ①と②の中間約500m、自然広葉樹の多い場所で、ウグイス、センダイムシクイ、アオジ、ヒヨドリ等の営巣地である。中間地林道からの横道にはカラ類、シマエナガ、ムシクイ類が多く見られ、秋にはアトリが多く見られます。たまにアカハラ、アカモズに会いびっくりすることがあります。中間林道一帯にカラ類、アオジが常時見られ、秋にはカシラダカ、ミヤマホオジロがおおく見られる。最近は時々悲しげなアオバトの鳴き声を聞く事がある。平成11年4月11日の探鳥会の途中、突然ハクチョウの鳴き声と共に約100羽程のオオハクチョウが、高度100m位の空中を、編隊を組んで鳴きながら飛んでいるのに出くわした。本州方面からの北帰行と思われるが、この付近ではなかなか見ることのなかった鳥で、感激の一瞬であった。後から聞いた話ではこの鳥の一部がダム湖水で一晩休んでいったとのこと、所用で早く帰り確認できず残念であった。

樹木は
 針葉樹(トドマツ、エゾマツ、カラマツ)
 広葉樹(イタヤカエデ、ミズナラ、ブナ、ハルニレ、ホオノキ、ドロノキ、ニセアカシア、ヤチダモなど)
野鳥は
 カッコウ、ツツドリ、ホトトギス、ツバメ、イワツバメ、ミソサザイ、ジョウビタキ、クロツグミ、アカハラ、ヤブサメ、ウグイス、エゾセンニュウ、メボソムシクイ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、キクイタダキ、キビタキ、オオルリ、エゾビタキ、コサメビタキ、シマエナガ、メジロ、ホオジロ、ホオアカ、カシラダカ、ミヤマホオジロ、アオジ、アトリ、イスカ、イカル、ミヤマカケス

写真「笹流れダム」③ 笹流れダム付近
 中間地から約700m間、ダム公園手前の亀田川(ダム水源河川)で一度カワガラスを見ているがそれ以来全く見ていない。9月以降の湖面には色々な水鳥が、羽を休めているのを見ていると時の経つのを忘れてしまう。最近、ヤマセミを時々見かける。湖水の小魚が多くなったせいか・・・。

樹木は
 針葉樹(トドマツ、イチイ、エゾマツ、カラマツなど)
 広葉樹(ポプラ、イチョウ、クリ、トチノキ、イタヤカエデ、ソメイヨシノ、エゾヤマザクラなど)
野鳥は
 カイツブリ、カワウ、アオサギ、オシドリ、マガモ、カルガモ、コガモ、トモエガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、ノスリ、ハヤブサ、チゴハヤブサ、コウライキジ、コチドリ、オオセグロカモメ、アマツバメ、ヤマセミ、カワセミ、クマゲラ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、カワガラス、クロツグミ、アカハラ、キクイタダキ、キビタキ、オオルリ、シマエナガ、メジロ、アトリ、イスカ、ウソ、イカル、ミヤマカケス

 あとがき
 平成6年から観察記録を取っているが、ただ記録しているだけで整理分析はなかなか難しい。それにしてもこの間の環境変化が激しく、さらに来年開学する「公立はこだて未来大学」がすぐ近くに建設され、それに伴って野鳥の飛来がますます減少する事を心配しているところです。

注1.各探鳥地共通の鳥名は次のものがある。
 トビ、キジバト、ヤマゲラ、アカゲラ、コゲラ、ヒヨドリ、ハシブトガラ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
注2.平成11年確認の鳥名は次の通り。
  ① アオバト
  ② オオハクチョウ、アオバト、オオアカゲラ、アカモズ
  ③ ニュウナイスズメ

(平成11年12月発行「北海道野鳥だより」第118号から転載。「野鳥観察記録表」は省略。)

< 地図製作:高橋良直 >