(千歳市)   千歳川流域 

 

 本会では例年5月中旬の早朝に探鳥会を開催しています。JR千歳駅から約7km余り支笏湖寄りにある北海道さけます孵化場手前の、第一烏柵舞橋の手前にある河畔園地の駐車場が集合場所です。ここから孵化場前を通り、千歳川沿いの林道約1.5km上流にある王子製紙第4発電所までが探鳥コースです。

 集合場所の河畔園地は低い土手を隔てて千歳川の清流が流れ、辺りの林縁ではモズ、ウグイス、オオルリ、キビタキ、ホオジロ、アオジ、イカル、シメなどが見られ、山地の梢付近ではクロツグミ、アカハラ、ツツドリの姿が見られることもあります。

「千歳川案内図」


 
 出発してすぐ橋を渡りますが、この橋の上から岸辺にいるカワセミ、ヤマセミを探し出すのが最初の楽しみです。この付近にはコルリ、ウグイス、エゾムシクイ、センダイムシクイ、メジロなどがいますが、姿を見い出すことは容易ではなく、鳴き声での確認になることが多くなります。
 橋を渡って進んでいくと、右側に孵化場の林、左側は山地の高木の林が続きます。この両側の林も多くの鳥が集まるところで、コゲラ、アカゲラ、ヤマゲラ、カラ類、ベニマシコ、ヤブサメ、ウグイスなど、孵化場入口付近ではオオルリ、キビタキ、クロツグミ、アカハラ、高木の梢でコサメビタキなどが見られ、右手の川岸に目を移すと、キセキレイ、セグロセキレイ、カワガラス、時にはヤマセミ、カワセミが見られることもあります。写真「王子製紙第4発電所ダム」

 間もなく右側に外れ林道に入ります。これから約1.2kmほどが、今では少なくなった手付かずの自然河川で、自然林の樹間から見られる清流も自然の魅力です。複雑な河畔湿地に生い茂る大木の傘の下、アカゲラ、ヤマゲラ、コルリ、トラツグミ、ヤブサメ、エナガ、キバシリなど多くの鳥たちが鳴き、飛び交います。
 ここを進んでいくと深い谷間を流れる川を見下ろす崖淵に出ます。ここから川の流れを覗き込むと、渓流を飛び回るカワガラスやキセキレイに出会うこともあります。

 やがて前方に発電所が見えて来、急な土手を登りきるとダムサイトの一寸した平地に着きます。ここが最終目的地で、探鳥会ではここで休憩し、朝食をとります。

 目前には深くえぐられたダムからの放水路が森に消え、周辺の樹々にはアカゲラ、ヤマゲラ、クロツグミ、アカハラ、キビタキ、オオルリ、カラ類、ホオジロ、アオジ、ベニマシコ、カワラヒワ、イカル、シメなどが見られます。放水路の土手にはカワガラス、キセキレイ、発電所の屋根にはセグロセキレイ、ハクセキレイと3種のセキレイが揃い、営巣もしています。

 帰りは同じ道を通りますが、孵化場構内を経て川の左岸を川沿いに歩いて出発場所に戻ります。孵化場に入る橋の周辺には多くのキセキレイが飛び回り、構内の植木の間をカラ類やキツツキ類、キビタキ、オオルリ、ホオジロなどがいて見やすく、ニュウナイスズメも多いところです。
 
自家用車など……千歳市街から道道支笏湖公園線に入り、支笏湖病院を通過して間もなく烏柵舞橋の手前で(国道36号線から約5.5km)右折して林道を進み、約1.2kmで河畔園地に駐車場に出ます。