宮島沼探鳥会風景 (9月)

 探鳥会開催挨拶風景。風もなく、好天に恵まれ、宮島沼でガンを見るには絶好の天気となりました。
 宮島沼水鳥・湿地センターの牛山さんからは、「この秋はガンの渡りはやや遅く、まだ数千羽(前日カウントで)での飛来」という説明を受けました。
 宮島沼の様子。湖面にマガンやヒシクイなどの水鳥が、広く薄く広がっていました。探鳥会が始まってもガンやカモの動きは少なく、じっくり観察できました。
 マガンの群れ(当会会員・武藤幹太さん撮影)
 観察風景。湖面の水鳥はマガンとヒシクイが大勢を占めていましたが、遠くの岸辺近くにはカモ類、カンムリカイツブリ、オオバン、バンなどがいました。特にカモ類はエクリプスの状態ですので、識別に苦労します。それもまた、この時期のカモ類観察の楽しみの一つです。
 宮島沼では遠くの水鳥の観察には望遠鏡が必須です。ベテラン会員さんが遠くのミコアイサを発見! 位置情報を共有することで周りの望遠鏡も加わり、皆さんとミコアイサを観察します。宮島沼ではこのような具合の探鳥となります。
 マガン
 ヒシクイ
 水辺のヨシ原の奥から「キュッ、キュィ、キュィ、キュィ・・・」という聞きなれない声がして、この声の主は? 参加者も盛り上がり、鳴き声を調べてみると「クイナ」の声と分かり、宮島沼でバンディングもしている当会・副会長の富川さんからの確認もいただき、クイナということで一件落着しました。残念ながら姿は見られませんでした。木の葉隠れの術を使う忍者のようです。
 マガンの群れ。猛禽類の出現が少なく、猛禽に驚いて湖面から一斉に飛び立つような壮観な光景を見ることができませんでした。でも、近くの畑で落ち穂狩りをしていたマガンの群れが何かに驚いて、一斉に飛び立ち、池に向かってくるのを見ることができました。
 マガンの群れ。(当会会員・武藤幹太さん撮影)
 鳥合わせ風景。36種の観察でした。水鳥ばかりではなく、皆様、しっかりと周りの林にも目を向け、メジロ、モズ、ホオジロなどの小鳥も観察できました。お見事です。
 探鳥会終了後、宮島沼ラムサール条約登録20周年としてミニ講演会「マガンはどこからどこへ?~マガンの一年の生活と渡りルート~」が開催されました。宮島沼で実施しているマガンの渡り追跡調査から見えてきたマガンの一年の移動経路について紹介し、池内俊雄さん(雁の里親友の会)から夏のロシア、冬の宮城県でのマガンの生活について紹介していただきました。