(札幌市南区)  藤の沢 

南区藤野の岡田の山(愛称藤野マナスル=標高316m)の頂上から西側の丘陵地帯(9ha)は、「小鳥の村」として知られ、藤の沢小学校を中心とした愛鳥教育活動は、全国的にも先駆的な試みとして注目されて、1983年(昭和58年)には環境庁長官賞、翌年には総理大臣賞も受賞しています。

 本会では、会の発足当時からこの場所で冬の探鳥会を開催してきましたが、2000年からは開催時期を5月にかえて実施しています。
 探鳥会の集合場所は白鳥園です。まず白鳥園の池を中心に観察します。ヤマセミ、カワセミ、アオサギなどが来ているかも知れません。出発してオカバルシ川を渡り、左に折れます。畑の跡地を通りますが、ここは草地と灌木で、モズやホオジロが出る所です。

 ここから山に入りますが、春は入口にあるヤマザクラの古木の花が見事です。左側はオカバルシ川が眼下に流れ、春夏はキセキレイやハクセキレイ、ヤマセミ、カワセミが、冬はカワガラス、ミソサザイが観察できます。
 やがて目の前が開け、沢に行き当たります。右に曲がると草原で、ここが愛鳥広場です。春はコマドリ、オオルリ、コルリ、クロツグミ、アカハラ、メジロなどの囀りが聞こえてきます。

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やがて目の前が開け、沢に行き当たります。右に曲がると草原で、ここが愛鳥広場です。春はコマドリ、オオルリ、コルリ、クロツグミ、アカハラ、メジロなどの囀りが聞こえてきます。「愛鳥広場」から山に向かいちょっと急な道を進みます。このカラマツ林ではコゲラやアカゲラなどのキツツキ類が見られ、冬季にはクマゲラが見られるのもこのあたりです。カラマツ林を抜け分岐から左に曲がり、沢の斜面を横切ります。この斜面には、春のこの時期、エゾエンゴサクやエンレイソウ、ニリンソウなど春の草花が咲き始めます。この場所は見通しが開け、ここからは沢沿いの木々の梢で囀っているセンダイムシクイ、キビタキ、オオルリなどを見るには最適です。ウグイスの声も聞こえてきます。この沢を過ぎると、カラマツ、トドマツ、シラカバ、ミズナラなどの針葉樹と広葉樹の混じった雑木林です。ヒガラ、ハシブトガラ、シジュウカラなどのカラ類、オオアカゲラやヤマゲラなども見ることができます。目の前にキビタキが見られるのもこのあたりです。道なりに進むと、小鳥の村の入り口に出ます。ここから北海道文教大学明星清高校の敷地を横切り、藤の沢小学校1階にある小鳥の村コーナーで休憩をします。野鳥の剥製や小鳥の村の歴史なども展示しています。後半は、藤の沢小学校から下り、藤野1号橋から左に折れ、オカバルシ川沿いの散策路を白鳥園に戻ります。ここではマガモ、キセキレイ、などを見ることができます。川沿いの梢ではオオルリを近くで見ることもできます。時にはカワセミやカワガラスが上流から飛んでくる姿が見られるかもしれません。しばらく進むと、住宅地の裏に、切通しになった大きな崖が見えてきます。ここでは、以前営巣したヤマセミの巣穴の痕跡を見ることができます。住宅地から川沿いの田畑に出て、周りを見渡してみると、カワラヒワやハクセキレイの姿を見ることができます。時には渡り途中のカシラダカやマミチャジナイが畑で餌を探す姿が見られる時もあります。その後、出発地点の白鳥園の裏手の橋を渡ってゴールインです。白鳥園にはトイレもあり芝生もあるのでゆっくり昼食を楽しむことができます。個人でこのコースを歩くときは私有地ですので、入口の小沢さんに挨拶をしてください。

 

公共交通機関……JR札幌駅バスターミナル発定鉄バス、または地下鉄南北線真駒内駅発定鉄バス定山渓(または簾舞)行きに乗車、「藤野3条2丁目」で下車。少し引き返して信号を右に曲がり、徒歩約15分で住宅地を過ぎた左側の軒先に白鳥園の看板が見えます。「藤野4条2丁目」バス停は、真駒内駅発定鉄バス12番藤野4条5丁目行のみが停車します。


自家用車など……国道230号線を定山渓方面に進み、左側に藤野聖山園の看板のある藤野3条2丁目の信号を左折。

< 地図製作:高橋良直 >