(石狩市)  石狩川河口

 

 本会では2007年度から新たに石狩川河口探鳥会を開催することにしました。さしあたって2007年にはシギ・チドリ類の秋の渡り時期に合わせて2回 (8月中旬と9月下旬)行いますが、探鳥結果によっては、2008年以後の開催時期や回数の見直しがなされるかもしれません。

 集合場所は石狩灯台のすぐそばにあるヴィジターセンターの駐車場です。「ビジターセンター」ではなく、「ヴィジターセンター」が正式名称です。このセンターは河口砂嘴に自生、群生する海浜植物保護などのために整備された「はまなすの丘公園」の入り口に建ち、中には観光案内コーナーや公園を見渡せる展望コーナーなどがあります。

 探鳥ルートは図に示されたとおりで、河口まで行ってぐるりと回る形になります。時計回り、反時計回りのどちらでもいいのですが、探鳥会では時計回りにします。

集合場所から2,3分も歩けばすぐ砂浜です。そこには車止めがあり、河口までの砂浜に車を乗り入れることはできません。そのため海水浴シーズンなどでも車止め付近を除いて、河口まで比較的静かな雰囲気です。

Googleマップ

 砂浜を歩いていきますが、その途中、シロチドリ、メダイチドリ、トウネン、ハマシギ、ミユビシギなどが波打ち際で餌を採っていたり、少し離れたところで休息をしていたりするのが見られるでしょう。また、群れとなって遠く近くを飛び交う姿も見られます。ダイゼンのような中型のチドリ、オオソリハシシギのような大型のシギも期待されます。ダイシャクシギ、ホウロクシギ、チュウシャクシギ、オバシギなどの比較的珍しいシギも見られるかもしれませんが、こればかりは運次第です。河口部は潮の干満、前日までの天候、海の荒れ具合によって状況が変わります。時には小さな干潟のようなものができ、そこにシギ・チドリが来ていることがあります。

 見るのはシギ・チドリ類ばかりではありません。カモメ類も楽しめます。オオセグロカモメ、ウミネコの常連以外にユリカモメもいるでしょうし、もしかしたらアジサシの群れが浜近くに降りているかもしれません。ウミウが海水面近くを低く飛ぶのが普通に見られます。

 河口部からは石狩川沿いの道になります。初めは海浜草原の道路を歩きますが、秋には草原の小鳥たちは寂しくなっています。ヒバリ、ホオアカ、オオジュリンなどがいるのですが、大部分はその年生まれの幼鳥です。鳴くことはほとんどなく、ちらちらと姿を見せる程度です。でも、満開のハマナスを見ることができます。途中から、はまなすの丘公園の木道に入ります。ここでは鳥よりも海浜植物を楽しむことになります。

 渡り時期に短期間だけ立ち寄るだけのシギ・チドリ類観察には当たり外れがあります。何種類も見られて大満足したかと思うと、トウネンの1種類だけなんていうこともあります。晩夏、初秋の石狩の海、やや寂しげにもたくましく生きる海浜砂丘の植物たち、そして、うまくいけば鳥たちという気持での鳥行をおすすめします。

 

公共交通機関……JR札幌駅バスターミナル発7番石狩行きに乗車し、終点の「石狩」バス停で下車。ヴィジターセンターまでは徒歩で約20分ほどです。

< 地図製作:高橋良直 >