(江別市ほか)  野幌森林公園 

 

 野幌森林公園は、札幌・江別・北広島の3市にまたがる国有林を中心にした、約2,040haの広さを持つ自然公園です。探鳥会コースは広い公園の北部に位置する大沢口を出発点とし、一周5km余りのコースで行っています。

 公園に入ると間もなく十字路を右に曲がり、エゾユスリハコースに入ります。高木から低木、広葉樹林に針葉樹が混在する多様な林相が展開し、山野性の留鳥、夏鳥、冬鳥が多く、四季を通し多くの鳥との出会いを楽しめるところです。春はヤマゲラ、アカゲラ、クロツグミ、ヤブサメ、キビタキ、オオルリ、エナガ、カラ類、キバシリ、アオジ、ニュウナイスズメなどのほか、5月上旬頃までは居残っている冬鳥のヒレンジャク、キレンジャク、イスカ、アトリ、マヒワなどに出会うこともあります。また四季を問わずフクロウやクマゲラを見かけるのもこの辺りです。

 このポイントを過ぎしばらく行くと、右に深い谷間が現れ、しばらく沢沿いの道を進みます。谷間を覆う傾斜地の大木の中に倒木も多く、このような環境を好むヤマゲラ、オオアカゲラ、アカゲラなどがよく見られ、キビタキ、オオルリ、ヒガラ、キバシリなどのポイントにもなっています。沢沿いの道を緩やかに上がって行くとトドマツ林の中に入り、前方の深い沢に遮られ三叉路に突き当たります。ここまでがエゾユスリハコースです。

Googleマップ

 分岐点を右に曲がり志文別コースに入ると、いったん坂を下り、沢を横切って上り坂になります。トドマツの古木や朽ちた倒木が混在するこの辺りは、春にキバシリ、ゴジュウカラが手の届きそうな近距離で見られることもあり、アカゲラ、オオルリにもよく出会うところです。
 坂を上りきるとトドマツ林が続き、やがて丁字路に差しかかり、ここで左に曲がって四季美コースに入ります。このトドマツ林の中にはヒガラ、キクイタダキなどがよく群れています。

 四季美コースに入ると右側はミズバショウやザゼンソウが自生し、ヨシ原やヤナギの密生する湿地帯で、周辺の高木という環境がコゲラ、アカゲラ、オオルリ、カラ類、キバシリ、ニュウナイスズメなどの観察ポイントになります。
 なだらかな上り坂を行くと右側の林の合間から松川の池が見えてきます。この池では4月半ば頃からカイツブリ、オシドリ、マガモ、コガモ、時にはカワセミ、キンクロハジロに足を止められます。
 ここからしばらく広葉樹が主体の林が続き、坂を下ると両側にミズバショウの群落が広がるミズバショウの沢です。樹冠を動き回るカラ類、キビタキ、オオルリ、アカゲラ、中枝で囀るアオジなどここも鳥を見るポイントになります。写真「大沢口」

 坂を登ると生々したトドマツ林に差しかかりますが、このあたりもヒガラ、キクイタダキなどがよく見られるところです。林のトンネルを通り抜けると右前方に大沢の池が見えてきます。春から秋までカイツブリ、オシドリ、マガモ、カワセミなどが生息し、繁殖も確認され、アオサギ、コガモ、キンクロハジロ、ホシハジロなどの水鳥も見られます。

 大沢園地へと連なる湿地帯の樹冠では、四季を通しカラ類を中心にした留鳥が、また雪解けの頃にはまだらに融けた地面や残雪の上で、小群になって餌をついばむマヒワに出会うこともあります。春には沢の水溜まりの地面を歩き回るクロツグミ、トラツグミ、アカハラなどのほか、枝から枝へとキビタキ、オオルリ、エナガ、キバシリ、巣穴を出入りするゴジュウカラなど、この辺りも探鳥に時間がかかるところです。

 大沢園地は丘の斜面の森に囲まれた沢あいの平地で、あずま屋の周辺には枕木状の木材の長椅子とテーブルが置かれ、水飲み場・トイレも設置された恰好な休憩場所です。探鳥会ではここで休憩して昼食をとりますが、この付近も四季を通して留鳥旅鳥が絶え間なく飛び交うところで、昼食の手を休めることも度々です。

 昼食休憩を終えると最後のカツラコースに入ります。左側がやや奥ゆきのある平らな笹藪の林、右側が丘の斜面の森、午後になると鳥たちの動きも幾分少なくなりますが、四季を通してコゲラ、アカゲラ、ハシブトガラ、ヒガラ、ヤマガラ、ゴジュウカラなどが見られ、春にはこれらに加えて、ヤブサメ、センダイムシクイ、キクイタダキ、キビタキ、オオルリ、キバシリ、ウソ、イカル、シメなどによく出会います。
 緩やかな坂を上り、平坦な林の中を進むと、やがて十字路が見え、右に曲がると出発した大沢口入口に戻ります。

公共交通機関……新札幌駅のバスターミナルからJRバス(12番・文京台循環線)に乗車、「文京台南町」で下車、または夕鉄バス(10番・文京通西行))に乗車、「大沢公園入口」で下車、ともに南へ徒歩5分。
自家用車など……国道12号線から江別市文京台の文京通(札幌学院大学の通り)、または文京台東町の道立図書館の通りへ進むと最奥で大沢公園口に至ります。

< 地図製作:高橋良直 >