(苫小牧市)  植 苗 

 

 植苗とは勇払原野の一部でウトナイ湖の北側一帯の地名を指します。探鳥会は毎年6月上旬に行われています。
 集合場所のJR千歳線植苗駅前付近の疎らな人家と屋敷回りの樹々軒下にはカワラヒワ、ムクドリ、コムクドリなどが営巣し、時にはモズ、ハクセキレイなどがみられることもあります。人家の少ない駅前通りの両側は雑木林やカラマツ林の新緑が続き、その茂みの中からセンダイムシクイ、キビタキ、オオルリ、アオジ、カラ類、アカゲラなどの鳴き声や動きもみられます。電柱の腕木の所々にはニュウナイスズメの巣造りがみられ、遠くからはツツドリの声も聞こえてきます。

イラストマップ「植苗」

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 駅前通りが右へ大きくカーブする辺りで左折し、雑木林の中の林道に入っていきます。林に入るとセンダイムシクイ、キビタキ、アオジ、カラ類、アカハラ、ビンズイなどの舞台になっています。
 しばらく行くと直角に左折する道があり、この道へ入るとやがて全面が開け草原になります。茂みの中からコヨシキリのけたたましい囀りが、少し進むとノビタキ、オオジュリン、ホオアカが、そして遠くからはこの日のメインともなるシマアオジの鳴き声が聞こえ、栗色と黄色の美しい姿が見つかれば興奮は高まります。
 草むらにひそみ殆ど姿を見せないマキノセンニュウの声も聞かれ、上空ではオオジシギのディスプレイが展開され、遠くからカッコウの鳴き声も聞こえてきます。

 入り込んだ湖岸を左手に美々川に沿って行くと開けた湖岸に出ます。この周辺はノゴマ、オオジュリン、コヨシキリ、ベニマシコなどのポイントで、湖岸からは岸辺付近で遊ぶマガモやカモメ類が、遠くには雛鳥と一緒のコブハクチョウの親子連れの微笑ましい姿を見ることもできます。
 対岸には小山のようなコブハクチョウの巣やアオサギのほか、10数年前ころは珍しいとされたダイサギ、チュウサギ、コサギなども近年はよく見かけるようになってきました。ほかにチュウヒ、ハイタカ、オオタカ、ハヤブサなどの猛禽類も時々現れます。ここがこの日の終着地点で、この間の道のりは約2.3kmになります。

公共交通機関……JR千歳線植苗駅下車。
自家用車など……千歳方面から国道36号線を行くと左折植苗の案内標識のある交差点を左折し、道なりに3kmほど進むと植苗駅に至ります。